秘密の手のひらフォーチュン 2025/01/25 08:41 Facebook에 공유 URL 복사 신고 秘密の手のひらフォーチュン第一章:運命の出会い古びた商店街の端にある「てのひら占い館」。人通りも少なく、看板も薄汚れているその店は、まるで時代に取り残されたかのようだった。「こんなところに店があったんだ……」小鳥遊リカは呟いた。今日は帰り道を変えてみたら迷い込んでしまった。進路に悩んでいた自分の心を映したような、薄暗い小道だ。扉の前に立つと、風に揺れる風鈴の音が微かに聞こえた。なんとも言えない引力に引き寄せられるように、リカは扉を開ける。中に入ると、驚くほど整然としていた。占い館というより、静かな書斎のような雰囲気だ。壁には古い本が並び、中央には大きな机。その向こうには、白いローブを纏った女性が座っていた。「ようこそ、『てのひら占い館』へ。今日は何を知りたいの?」落ち着いた声で語りかけてきたのは雪月レイだった。その神秘的な佇まいに、リカは一瞬、言葉を失った。「えっと……特に占いに興味があったわけじゃないんです。でも、なんとなく入ってしまって……」リカの曖昧な言葉に、レイは小さく微笑む。「人はみな、運命に導かれてここに来るのよ。あなたの手のひら、見せてくれる?」半ば誘導されるように、リカは手を差し出した。レイの指がリカの手に触れると、冷たい感触がした。それと同時に、彼女の目が鋭く光る。「あなたは今、大きな選択の前に立っている。未来をどう変えるかは、あなた次第。でも、これは簡単な選択ではないわね……」「大きな選択……?」レイの言葉にリカは困惑する。しかし、レイはそれ以上の説明をしないまま、ゆっくりと手を放した。「答えを急ぐ必要はないわ。でも、もし気になるなら、ここで一緒に探してみない?」「一緒に……探す?」レイは静かに頷き、「見習い」として手伝ってみないかと提案する。これをきっかけにリカは、占い師の助手として新たな一歩を踏み出すことになる――。