「夜明けの幽霊探偵団 ー 罪人の記憶 ー」第12章:贖

「夜明けの幽霊探偵団 ー 罪人の記憶 ー」第12章:贖罪

「……透花……?」

彼女は、あの日のままの姿で、そこにいた。

「先生……どうして、またここに?」

彼女の声は、穏やかだった。
しかし、その優しさが、私の胸を締め付ける。

「俺は……俺は……!」

私は何かを言おうとしたが、言葉が出てこなかった。

透花は微笑んだ。

「先生、大丈夫だよ。」

私は、すべてを悟った。
透花は――もう、私を許していた。

(それなのに……俺は……!!)

その瞬間、透花の姿は薄くなっていった。

最後に、彼女はこう言った。

「さよなら、先生。」

私は、震える手で、泣きながら彼女の影を見送った。




私は町を去った。
今度こそ、もう二度と戻らないだろう。

しかし、透花の言葉は、ずっと私の中に残り続けた。

「さよなら、先生。」

(俺は……許されていいのか……?)

答えは出ないまま、私は消えた少女の幻影を胸に、静かに歩き続けた。

――透花、君は、幸せだったのか?

今でも、それだけが知りたい。

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