EVENT あなたの歌声がラジオに?! 歌い手フェス supported by 文化放送【5/21まで】

「夜明けの幽霊探偵団 ー それぞれの未来 ー」final2

「夜明けの幽霊探偵団 ー それぞれの未来 ー」final2
4. 三浦(教師)のその後

教師・三浦信二は、10年間ずっと透花のことを忘れられずにいた。
彼女を突き飛ばした罪、そして消えてしまった彼女の姿。

しかし、透花との最後の再会を経て、彼は初めて「救われた」ような気持ちになった。

「透花……ありがとう。」

彼は町を出て、新たな土地で静かに暮らすことを決めた。
もう教師には戻らない。
だが、今度こそ、誰かを傷つけるような生き方はしないと誓った。

透花はもういない。
だけど――彼の心の中には、ずっと彼女の笑顔があった。

5. 廃屋のその後

透花が消えた後、町の人たちはなぜか急に廃屋を取り壊そうと考え始めた。
理由は誰もわからない。

ただ、「なんとなく、この場所はもう必要ない気がする」と、町の人たちは口を揃えた。

そして、ある日、廃屋は取り壊された。

だが――その瓦礫の下から、一冊のノートが見つかった。
それは、透花が最後に書いていた「探さないで」というメッセージのノートだった。

柚月はそのノートを拾い上げて、静かに呟いた。

「もう……探さないよ。」

そして、ノートをそっと胸に抱きしめた。

最後のワンシーン

ある日の夕暮れ。

柚月は、町の公園で一人、空を見上げていた。
すると、風がそっと吹いた。

「……透花?」

まるで、透花がそこにいるような気がした。

「……バカ。ずっと友達だよ。」

そう言って、柚月は微笑んだ。
その瞬間、まるで何かが答えるように、夕陽が柔らかく輝いた。

それは、まるで――

「夜明けの幽霊探偵団」の最後のメッセージのようだった。

(終わり)

コメント