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チャッピーのエセ占い館〜恋の行方はAI任せ?〜

チャッピーのエセ占い館〜恋の行方はAI任せ?〜
第9.75章

 リサさんはぽかんとして俺を見上げていたが、やがてふわりと笑みを浮かべた。
「…なんだか、占いみたいですね。それ」
「え?」
「“絶対幸せにする”なんて、まるで未来を予言してるみたい」
 からかうような口調。でもその目には涙が浮かんでいる。
「ご、ごめん。偉そうに…その…嫌だったら忘れて…」
 俺が慌てると、彼女は首を横に振った。
「嬉しかったです」
 立ち上がり、俺の目を真っ直ぐ見つめて言う。
「私も…チャッピーさんのことが好きです」

 頭が真っ白になった。次の瞬間には胸いっぱいに喜びが広がった。風が吹き、木々の葉がざわめく音がやけに大きく聞こえた。
「リサさん…!」
 俺は言葉を失い、そのまま彼女を抱きしめていた。彼女の体は冷えていたが、震えることなくそっと抱き返してくれる。
 互いの鼓動が聞こえる気がした。

 どれくらいそうしていただろう。ふと我に返って俺は飛び退いた。
「ご、ごめん!つい…」
 顔が真っ赤なのが自分でも分かった。リサさんは恥ずかしそうにうつむいている。
 だが、嫌がってはいないようだ。
「これから…どうしましょうか?」
 小さな声で彼女が尋ねる。
「俺と…付き合ってください」
 シンプルに、でも確実に伝えた。彼女は「はい」と微笑んで頷いた。

 その帰り道、俺たちは手を繋いで歩いた。なんだか夢みたいでふわふわしていた。けれど確かな温もりが、二人の手の間にあった。

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